マルラってどんな木?〜アフリカでの用途〜

こんにちは。モザンビークではマルラの収穫時期が近づいていて、薄緑色のマルラの実をよく見かけるようになりました。

今日はマルラとはどんな木なのか、マルラオイルがどのように出来るのかご紹介します。

マルラの木はどこにあるの?

マルラは南部アフリカの乾燥気候地域に生息するウルシ科の高木で、南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、モザンビーク南部に自生します。

(写真:マルラの木)

モザンビークの首都マプト市でマルラは近所で見かける身近な木で、住宅建設が進むマプト市内でも、マルラの木は伐採されずに残っています。
それはマルラの木に現地の生活に密着した用途が有り、現地の人々から大切にされているからです。 

マルラの木の用途は?

マルラの木には沢山の用途がありますが、最も身近なものは果実酒です。

マルラの木には毎年12月から3月ごろにかけて、果実がなります。
黄緑色の小さくて丸い実が次第に黄色く熟して、独特の果実の香りを漂わせるようになります。それは丁度日本の梅を連想させる、丸くて小さい果実です。緑の果実は梅のようですが、熟した果実は水分を豊富に含んでいます。

それを現地の女性達は総出で拾い集め、洗い、種と果実を選り分けます。その果実を容器に数日保管しておくとマルラジュースができます。
ジュースはビタミンCが豊富で現地の子供達の大好物です。

マルラの実を切って中身を取り出したところ
(写真:マルラの実を取り出したところです。水分を多く含んだ実が出てきます。)


マルラ果汁はとても発酵が早いので、ジュースは数日の間には果実酒となります。この果実酒は地元の人に伝統のお酒として愛飲されています。

私たちも、subiのマルラオイルの原材料になっているマルラの実を収穫しているコミュニティを訪問したときに、ご馳走になりました。

マルラのお酒をご馳走になりました

見た目は白濁していて、試飲前はちょっと不安でしたが、飲んでみるとビタミンC豊富な感じの爽やかな酸っぱさがあり、美味しかったです。

マルラの果実酒が出来ると地元で宴会を開く地域も多いようです。これが南部アフリカで広く愛されている一般的なマルラの用途です。

果実酒の底の部分に溜まった澱の部分は、精力を高め、子孫繁栄のご利益がある飲み物として重宝されています。南アフリカのコミュニティでは、マルラの木の麓で祈りを捧げ、先祖の魂との傀儡を求めるなどの伝統があります。伝統的にマルラは神聖な木として大切に保護されているのです。

マルラの種子はどう使う?

果実酒を作ったあとの種の利用は限定的です。

何故かというと種の殻は非常に固く、まるで石のようだからです。
現地のお母さん達はその辺の石で、この殻を思い切り叩きます。すると、殻が割れて種の中にあるナッツのような仁を取り出すことが出来ます。

仁は油分が多く、ピーナッツのような味わいです。
これを塩で炒ってビールのつまみにしたり、すりつぶしてペースト状にしたものをシチューやカレー料理の味付けに使ったりします。

この仁には油分だけでなくビタミンEやミネラルやタンパク質が豊富に含まれていますが、殻を割る作業には大変な時間と労力を要します。だから、家庭で消費する量しか取り出すことができないのかもしれません。残りの種は地面に還ったり、芽を出して苗木となります。

(写真:殻を割っている様子)

 

(写真:マルラの苗木)

マルラの果実や種子の商業的活用

モザンビークの隣国南アフリカでは、マルラ果実や種子の商業的活用も進んでいます。

最も有名なものはAmarulaリキュールです。
このリキュールはマルラの果実から作られたお酒ですが、家庭で作られている地酒とは全然味が違っています。褐色で甘い、カルアミルクに似た風味です。
カルアミルクのように牛乳で割ったり、ロックで飲んだり、南アフリカだけでなくモザンビークやザンビアなど南部アフリカ諸国で広く愛されている飲みものです。

南アフリカにはマルラ果実を100%ジュースの原料として活用しているメーカーもあるようです。

近年、活用方法で注目されているマルラオイル

そして近年、注目されている用途が、マルラオイルです。

マルラオイルは欧米を中心に美容オイルとしてポピュラーで、国内生産量の大部分は輸出用です。

日本でも少しずつ知名度が上がっています。

subiマルラオイルは生産工場を直接訪問し、オイルの原料や生産工程を自分達の目で確認し、納得出来るものだけをお届けすることを大切にしています。

subi公式サイトのブログでも生産現場の様子を発信していく予定ですので、どうぞご期待ください。

(写真:subiマルラオイル)