「ありがとう」を届ける。アフリカとつながる母の日ギフト

カプラナを巻くモザンビーク女性

 もうすぐ母の日。subiでは、大切な人へ“ありがとう”を届けるギフトキャンペーンをスタートしています。アフリカの自然とともに暮らす女性たちの知恵が詰まったsubiマルラオイルと手作り石けんを、特別なラッピングでお届けします。

 

ラッピング+オイル+石鹸 (アフリカ布リボン)

 

 どちらも肌にやさしく、たおやかな質感で、日々の疲れをふわっとほぐしてくれるものばかり。「いつもありがとう」の気持ちが、そっと伝わるきっかけになれたらうれしいです。

 

 そこで今回は、アフリカの“母の日”ってどんな感じ?をテーマに、現地モザンビークで暮らすスタッフにあれこれ聞いてみました。

●モザンビーク人が大事にする「女性の日」を知っていますか?

ーー「母の日」は世界中の国で制定されているんですが、国によって日付や意味合いもさまざまだそうですね。日本での「母の日=5月の第2日曜日」は、アメリカに倣ったものだとか。アフリカやモザンビークではどうなんでしょうか?

 

Verde Marula  今回、モザンビークの人に聞いたら、諸説あったんですよ。人によって、3月だって言う人もいれば、日本と同じ5月という人もいたりして。いずれにせよその日に、お母さんにお花を送ったり、カプラナというアフリカの布を送ったりしているようです。

 


 それよりもモザンビーク人にとって大事なのは、4月7日の「モザンビーク女性の日」と呼ばれる日です。その日は、お母さんだけじゃなく、妻や家族の女性に、花やプレゼント、特にカプラナを送る習慣を大切にしているとのことです。

 

ーー日本ではそんなに有名ではないですが、3月8日に「国際女性デー」というのもありますよね。それとは違うんですか?

 

Verde Marula   モザンビーク初代大統領の妻で、モザンビークの独立と女性の権利のために活動したJosina Machel(ジョシナ・マシェル)の命日を祝日として制定されています。なぜこの日が「女性の日」になったのかを調べてみたら、すごく素敵な話なんですよ。

 

ーー 日本では祝日の意味なんてあまり考えないけど…モザンビークの“女性の日”の背景にあるストーリーってすごそう。

 

Verde Marula ただ単に「モザンビークの初代大統領の奥さんの命日だから女性の日になった」ってわけじゃなくて、彼女自身がモザンビーク独立運動の闘士だったんです。

 

 モザンビークがポルトガルから正式に独立したのは、1975年6月25日なんですけど、彼女はそのずっと前、17〜18歳の頃から独立のために戦っていて。首都マプトを何度も脱走しては捕まって、牢屋に入れられて、を繰り返して…それでも諦めずに、独立闘争の拠点があったタンザニアまで、徒歩やヒッチハイク中心に自力で辿り着いたんですよ。マプトからタンザニアまで、直線距離で約1,500〜1,800km(単純計算で徒歩だと、およそ2ヶ月半くらいかかる距離)。現地に着いてからは、“FRELIMO(フレリモ)”という独立戦線の組織に迎えられて、彼女自身も銃を持って前線に立つようになります。

 それだけじゃなくて、女性たちにも「あなたたちも独立のために立ち上がろう」って呼びかける役目も担っていて女性の軍事訓練部隊「デスタカメント・フェミニーノ」の創設に関与し、女性の政治的・軍事的役割の拡大に尽力しました。まさに“前線で戦うリーダー”だったんですね。

 

 で、そのFRELIMOの中でも幹部層のトレーニングみたいな場があって、そこに現れたのが当時の独立戦線のリーダー——のちの初代大統領サモラ・マシェルでした。彼と出会って、恋に落ちるんです。

 
  独立戦争に勝利する前に子どもが生まれるんですけど、それでも彼女は戦線を離れずに活動を続けます。だけど、1971年に、25歳という若さで病気で亡くなってしまう。そんな彼女の命日が記念日になり、今でも国民に盛大に祝われている。ーーそんなお話なんです。

 

ーーラブロマンスもあり、苦労からの復活劇もあり…ハリウッドで映画化まったなし、ですね。

 

Verde Marula その日は国民みんなからお祝いされて、ジョシナ・マシェルの似顔絵が描いてあるカプラナを腰に巻いたり、ピクニックをして料理を食べて、お酒も飲んで盛り上がる、女性が楽しむ日です。

 

ーー男性からはどんなプレゼントをするんですか?

 

Verde Marula  「女性の日」に限らず、南部アフリカの人は事あるごとにカプラナを送りますね。だいたい2m✕1mほどの布地で色んな用途に使えるんですよ。子どもがいたらおんぶ紐にしたり、服を仕立てたり、腰布みたいにして巻いたりとか。1枚で高くても500円ほどと、割とお手頃価格です。謝罪のときとかにも使うそうです(笑)。

 

ーー外さないプレゼントリストなんですね。柄も綺麗ですもんね。エコバックにしたり。今回の母の日ギフトセットのリボンも、その布をでできているんですよね。

 

Verde Marula  そうです。やはりアフリカを象徴する布ですし。国によって名称は違うけど、南部アフリカでは特に愛されているものです。

 

 モザンビークの女性はみんな、ジョシナ・マシェルをすごく誇りに思っているし、彼女の命日をモザンビークの女性の日にした、サモラ・マシェルの愛も感じますよね。

● モザンビークの女性の社会的ポジションは?

カプラナが並ぶ店内

ーーみんなが憧れるような女性独立闘士のストーリーは国民的に人気なんですね。では、モザンビークはやっぱり女性が強いんですか?

 

Verde Marula 一般論だと、やっぱり男性が強いのかな…。政府の閣僚などを見ると、日本よりも女性の大臣が多いですよ。組織や企業の幹部を務める人もけっこういて、女性の社会進出を阻む風潮は感じません。

 

 一方で街と村ではそれも違うようにも見えます。伝統的には女性が1人でバーやレストランに行ったりというのは見かけません。もっと田舎に行くと、女性と子供は外で、男性とは別に食事するといった光景を見かけたりもします。ただ、モザンビーク人の半分はムスリムなので宗教観の影響もありそうですし、土着の伝統的にも一夫多妻文化があるので、そういう背景の名残もあるのかもしれません。

 

ーー そういう多様な価値観の社会の中で、女性の日として大いに楽しもうということもあるんですね。

 

Verde Marula  そうですね。シングルマザーもすごく多いですが、すごく力強いんですよ。お金ある人もない人も、その生き方を悲観している感じはなくて、お仕事をしてお金稼いで胸を張って生きている方が多いように思います。文化的にはベビーシッターやハウスキーパーなど、家のサポートしてくれる人を雇う習慣があります。だからこそ女性が稼ぎ主になって、家の仕事を別の人にやってもらうという構造が成り立っているのかもしれませんね。

 

ーーそれこそ、マルラの果実を集めるのも農村の女性たちがやっていて、という話が前回コラムでもありました。どうしても日本との比較になりがちですが、男女の機会に対する意識が変わっていく中で、参考にしたい話がありそうですね。

●モザンビークのお母さんはどんな存在?

ーー シングルマザーの話が出てきたところで、冒頭に立ち返って”お母さん”についても伺っていきたいです。モザンビークでは、お母さんってどのような存在ですか?

 

Verde Marula 日本でもっとお母さんラブの発信を推奨していきたいです。例えばマザコンという言葉がありますが、その捉え方もさまざまで。イタリアでは”マンマ”が大切と聞きますが、要は成人男性であってもお母さんをすごく大事にしているわけですよね。暇があれば会いに帰ったり、ギフトを送ったり、お母さんめっちゃラブって堂々と言っていて。

 

 日本人は、お母さん好きだけど、なんでも頼っているというか。「お母さん、ごはんおかわり!」っていってお母さんがお米をよそうのがまだ当たり前みたいなイメージなので。積極的に感謝や愛情を伝える点では、世界のマザコン文化を見習うと良いかもですね。

 

 その比較でいうと、アフリカはその中間ぐらいですかね。イタリアほどではないけど、お母さんを大事にしています。まめに連絡したり贈り物をしているのはみかけますね。

 

ーー モザンビークというかアフリカのお母さんについては勝手に「母ちゃん!」みたいな強くてたくましいイメージがあるんですが、いかがですか? さきほどの独立闘士みたいな話もありましたし。

 

Verde Marula  家によってはそうじゃないかな。女手ひとつで育て上げてくれたんだみたいな話も聞きますし、お母さんに大事に育てられた人はいっぱいいます。以前、別の会社をやっていたときのお客さんでも、子供が3人いて夫が10年くらいに亡くなって、女手一つで食堂を切り盛りしながら、大学へ行かせて、という力強いお母さんがいました。そういうたくましい女性が沢山います。

 

ーー ちなみに、モザンビーク版おふくろの味みたいなのはあるんですか? 肉じゃがとかカレーとか豚汁みたいな。

 

Verde Marula  フェイジョアーダという豆の煮込みとかですかね。あと、ピーナッツやココナッツやキャッサバの葉のソースで魚介類を煮込んだモザンビークの伝統料理マタパ。いろんな材料をすりおろすので、すごく手間がかかるんですよね。だからこそあまり、レストランで出してるところがない、お母さんの味だと思います。

●クリスマスでもバレンタインでもなく「母の日」を大事にしたい

カプラナを頭に巻く女性と一般男性

ーーお国変わればお母さん観も変わるーー日本と似ているところもあれば違うところもある、そんな話を伺ってきましたが、subiの母の日キャンペーンをきっかけにして、普段言えないありがとうを伝えるお手伝いができたらいいですよね。


Verde Marula  そうですね! 弊社のマルラオイルは、その消費が増えれば増えるほど、アフリカの農村の女性の副収入が増える形になっています。マルラオイルを使って日本の女性が今日も美しくありたいという想いが、アフリカの女性たちの「家族を支えたい」という気持ちを支えていく…アフリカと日本で循環していく女性のウェルビーイングを大事にしています。


ーー Verde Marula社の理念と関わりの深いキャンペーンですよね。

 

Verde Marula 実は弊社ECサイトでは、(自社として)クリスマスやバレンタインのキャンペーンをこれまで1度も展開していない中で、母の日キャンペーンをやるのは、「母の日」はそれほど派手なイベントじゃないけど、「大事な人に感謝の気持ちを伝えたい」という気持ちに寄り添えたらなと思っています。


 私達と同年齢ぐらいのお客さまが「母に送りたいので買います」とおっしゃってくれたり。弊社のマルラオイルはエイジングケアに効果的かつ無添加なので、私達の母世代の方々にも、自信を持ってお送りできるものです。他のお化粧品と合わせて使える設計ですので、この「母の日」に、そういったギフトセットがちょうどあるよということで、今年お母さんに送りたいものを迷っていたり、なにかあげたいなと思っていたら、その、オプションの1つになれたらいいなと願っています!

 

※ジョシナ・マシェルのエピソードには諸説あります。