subiの誕生ストーリー(前編):創業者インタビュー

subi はマルラオイルをはじめとした、高機能かつオーガニックなアフリカ産の植物性原料を主役原料(ヒロイン原料)とし、地球に優しい製法でお届けする完全自然派スキンケアブランドで、2021年7月に誕生しました。

自然豊かなアフリカには数え切れないほどの植物性化粧品原料がありますが、subi は厳選されたものだけを選んで製品に採用しています。実際に現地に足を運び、農場や近隣コミュニティでの原料調達〜提携工場での加工〜現地での品質試験までの工程をすべて確認しています。工場を経営している人達やそこで働いている人達との会話を大切にしています。

なぜここまでできるのか?それは、創業者がアフリカに住み、現地の方々としっかりコミュニケーションを取りながら進めているということが大きいと思います。

では、subiはどのような経緯で生まれたものなのか、今回、弊社、株式会社Verde Marula(ヴェルデ マルーラ)の取締役 有坂之良さんに語っていただきました。

インタビュアー:まずは之良さんのご経歴について教えてください。
之良:11年前に青年海外協力隊員としてザンビアに赴任しました。その後、同社の代表となる有坂(旧姓:村上)純子と結婚して、2016年、共にモザンビークへ移住し「Verde Africa, Lda」(ヴェルデ アフリカ)を設立しました。

Verde Africaが作る再生炭は、限りある資源を最後まで使い切る「再生エネルギー」

インタビュアー:subiのブランドを運営しているVerde Marulaとは別に、現在もVerde Africaを運営されているということですよね。2016年に設立した、Verde Africaとは、どんな会社なのでしょうか?
之良:アフリカのモザンビークという国で再生炭を販売する企業です。
皆さん驚かれるのですが、南部アフリカでは、まだほとんどの国でガスが通っていなく、木炭を調理燃料として使っています。その木炭を生産するために、森林資源が伐採されています。これが大変な問題になっています。JICAの調査によるとモザンビーク国内では東京都と同じ面積の森林が毎年失われていると言われています。

モザンビークでは建前上、ライセンスなしでは木炭の生産はできませんが、生活に追われる人々の手によって無計画に伐採されてしまっています。

我々VerdeAfricaの再生炭は、木を切ることなく、再生炭を作り出しています。どのように作っているかというと、炭クズの中でも、小さくて火がついてもすぐ消えてしまい、捨てられてしまうものを街中から買い集め、自社工場でそれを再形成しています。
要は、限りある資源を最後まで使い切る「再生エネルギー」を作り出しているということです。

アフリカには様々なビジネスチャンスが眠っている

インタビュアー:Verde Africaを設立しようと思ったきっかけを教えてください。
之良:まず、僕と純子は青年海外協力隊で派遣されたザンビアで出会ったんですよね。
ザンビアでの生活では、アフリカには様々なビジネスチャンスが眠っているという可能性を見せてくれました。

日本はどこでもコンビニがあり、宅急便は自宅に時間通り届き、とても便利です。様々なビジネスやサービスが成熟しており、競合となる企業も多いのが日本です。しかし、東南部アフリカの国々のほとんどは、日本のような24時間何でも買えてしまうコンビニなどありません。郵便を受け取るには自ら郵便局へ出向き、届いているのか不安な気持ちの中、局員に探してもらい、見つかれば奇跡に近いものです。
アフリカではインフラ、サービス、製造、農水産、どんな分野もこれから伸びていくチャンスがあると思ったことが、起業のアイデアを深めていったきっかけです。

着目したのは「人々の暮らしになくてはならない生活必需品」

インタビュアー:具体的にはどんなチャンスに着目したのですか?
之良:私たちが着目したのは「人々の暮らしになくてはならない生活必需品」でした。
アフリカの生活において、生活用品のほとんどは輸入品で粗悪なものが多い上に、そして値段も安くはありません。
日本で100円ショップに行けば丈夫で便利なものがいくらでも買えるようなものに、貧しい人ほど「品質の悪い」ものにお金を払っているのです。

そこでアフリカの人々に役立つ身近でなくてはならないものを作ろうと考え始めました。
生活必需品は、お金があってもなくても買わなければならないものです。生活が少しでも便利になり、子どもたちを学校に通わせることが出来たり、毎日の食事の心配が少しでも減らせることに繋がればよいと思いました。

インタビュアー:なるほど、ここで生活必需品「炭」に近づいてきましたね。
之良:はい。ここで具体的にアイデアが降りてきます笑

ザンビアにいた頃の話ですが、毎日のように職場近くの市場の食堂で昼食を摂っていました。

市場の食堂で調理に使われている燃料は木炭です。

先ほども言いましたが、木炭は燃料として、もちろん家庭でも使われ、アフリカの人々の生活に欠かせないものです。

この木炭に変わる少し便利なもの、そして価格も安く設定すれば、彼らの生活の底上げを少しでも手伝うことができるのでは、と思いついたのです。 

人々が廃棄しているものを使って持続的なエネルギーの生産ができれば、森林や人々の生活を変えられる

 インタビュアー:ザンビアにいた時には既に思いついていたわけですね。
之良:はい。ザンビアでは、日本では当たり前のことがアフリカではままならないということを目の当たりにしてきたので、アフリカの地でどうやったら課題解決とビジネスが結びつくのかという具体的なイメージがわいてくるんですよ。

例えば、木炭を生産するために日本では通常、間伐材が使われ、天然資源が損なわれてしまうことはほとんどありませんが、アフリカでは木炭を作るために森林伐採がされています。多くの森林が破壊され、自然の循環システムが遮断されてしまい、雨季には洪水を引き起こし、乾季には干ばつも起きています。

そして、その被害を一番被っているのは一般の人々です。限られた森林資源を使うのではなく、人々が廃棄しているものを使ってエネルギーを生み出すことができれば、持続的なエネルギーの生産ができ、森林を守り、人々の生活をもっと根本から変えることができるのではないかと考えました。

ずっと日本にいたら、こんなことは思いつかなかったと思います。

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ここまでは、subiブランドの運営会社Verde Marula社より前に設立したVerde Africaを起業きっかけとなった背景についてお話しいただきました。

次回は、そこからどうしてVerde Marula社を作ろうと思ったのか?というお話に入ります。

 >>後編へ続く