「肌にも地球にも誠実でありたい」subiが考える8つの成分を「使わない」理由とクリーンビューティーの哲学
subi商品ラインナップ
subiでは、商品に“使わないと決めた8つの成分”を明示し、自分たちの哲学を表現しています。 たとえば100%ピュアマルラオイルは、余計なものを加えないからこそ、素材の力を最大限に活かせると考えています。
そして、クリーンビューティーという考え方のもと、肌にも地球にも誠実でありたい──そんなシンプルな選択の積み重ねが、subiのものづくりを形づくっています。
今回は、Verde Marulaのsubiブランド開発担当者とともに、「無添加」という言葉の意味や、添加物との向き合い方についてご紹介いたします。
▷subiのクリーンビューティーの取り組みの全体像は、こちらでご紹介しています。
① 「無添加」って本当に何も入ってない? ― 定義と誤解
ーー今回はすこしナイーブですが、重要なテーマを掘り起こしていきたいと思います。
一般的に、スキンケア商品については”無添加”というものが結構あります。その言葉通り「何も添加していない」ということで、商品を選択するひとつのキーワードとなっています。
Verde Marula そうですね。すこし注意したいのが、”無添加”という言葉は、すごくふんわりとした、誤解されやすい言葉だとも思っています。
subi製品だと「マルラオイル」は純度100%の無添加ピュアオイルです。製品化までの全ての工程で、保存料や合成添加物などを使用せず、一切無添加のオイルといえます。一方で、「モイスチャライジング・ローション」や「ボタニカルクリーム」には、100% 植物由来ではありますが、厳密に一切無添加ではありません。
ーーたしかに、一般的にも、無添加=完全にゼロではなく「特定の成分を使っていない」という意味合いが多いようですね。
Verde Marula はい、私たちもsubi全商品の共通として、スキンケア商品などによく使われている”8つの項目”について無添加であることを定めています。無添加という言葉には明確な定義がなく、メーカーの定める特定の成分が入っていないという意味合いで使われるケースが多いです。
ーー<シリーズ共通8つのフリー項目>としてウェブサイトでも解説をしていますね。シリコン、石油系合成界面活性剤、紫外線吸収剤、鉱物油、アルコール、合成香料、着色料、パラベンは使用していません。
Verde Marula 弊社ではアフリカ産の優れた自然原料をふんだんに使っていることが強みでもあります。また”無添加”というのは意味が混同しやすい言葉なので、お客様にわかりやすく、しっかりと伝えたいと思っています。
② 添加物は敵か味方か ― 役割とリスクのバランス

マルラの実から取れるピュアオイルです
ーーなるほど。ブランドの表示方針としてということですね。良し悪しではなく、一般的なスキンケア商品には、通常、添加物は入っています。
Verde Marula そうですね。例えば、”保存料”‐‐それ自体すごく幅広いものなのですが、その名を見るだけで「保存料が入ってるものは嫌だ」という印象を受ける方もいらっしゃると思います。
でも、保存料を使わないとカビが生えてしまったり肌に害を及ぼすこともあり得ます。肌に優しい保存料も選択することもできるので、何をどのように使うかというバランスが大切だと思います。
ーー保存料が入ってるから必ずしもだめ、ではなく、肌に塗るものだからこその基準は当然、あるわけですもんね。
Verde Marula subiブランドとしては、正直に自分たちの製品に使われている成分をお客様に伝えていきたいと考えています。また「子供や肌の敏感な方でも使える」ものでありたいという願いがあります。
ーーたしかに、よく論争にもなっていますが、化学物質が添加されている商品に対して抵抗がある人もいますね。保存面や使用感など短期的な利益はあるものの、長期的視点で人体や自然環境に関する懸念が語られることもしばしばです。
Verde Marula 例えばシリコンが入っていると、塗った時の肌馴染み、すべすべ感、毛穴がカバーされてる感じを表現できると思います。一方で、プラスチックの原料を毎日体に塗り続けて、果たして良いのだろうか、ということをふと考えてしまったりしますね。
私たちとしては成分の表記はもちろんですが、使用素材に関してもできるだけ、安心で、正直なブランドでありたいなと思っているんです。
今日だけではなく、お客様の明日のお肌のこと、数年後のお肌のことを考えても、胸を張っていられるようなものを作りたいなとは思ってます。
ーー特定の紫外線吸収剤やシリコンなど、水質汚染を引き起こす成分を含む化粧品もあるようですね。
Verde Marula はい、日焼け止めによるサンゴ礁の破壊などが例としてあります。肌に付けたものを洗い流した先で地球が汚れて、海の生態系が破壊されてしまうんですね。その意味でも、subiではオーガニック・天然由来な原料をメインに使用しています。
③ 「8つのフリー項目」とクリーンビューティーの実践

自然にも優しくありたい
ーー冒頭でも言葉だけご紹介しましたが、なぜ8つの成分を添加しないときめたのか。さらにマルラオイルはなぜ無添加なんでしょうか?
Verde Marula マルラオイルについては、そもそもオイル自体が素晴らしい力を持ったものだったからです。すべて、このマルラオイルとの出会いから始まって、その効果に感動したからなので、それを日本に伝えることも一つの使命だとしています。そこでやはり、その良さを最大限生かすためには、何も入れないのがベストだと思ったからです。
弊社としても、ブランドの哲学に合う形で製造できるパートナーを選んでいます。ブランドを立ち上げるにあたっては、マルラオイルの製品化に取り組んでいたとき「保存期間を長くするために保存料などを添加するのがおすすめ」という話があがったんですが、それが何でできているか不安で。ブランド作りをする際に、全員で議論して、そうしたものは入れないことにしました。
ーー全てのものを無添加にはできない。でもブランドの哲学を守るために「私たちはこれは入れません」というふうに、意思表示をすることも、結構、大変なんですね。
Verde Marula そうですね、例えばクレンジングオイルを作るとして、石油系合成界面活性剤を入れずに作ることも可能ではありますが、洗浄力が弱くなったり、キレが悪くなったりするので、難易度が高くなります。
ーーそうした苦労を考えると、<シリーズ共通8つのフリー項目>を掲げて製品開発を続けるのは、本当に大変なことだと思うのですが……。
Verde Marula その発想のもとには「クリーンビューティー」という考え方があります。これは欧米発祥の概念で、subiもコンセプトに取り入れています。
「クリーンビューティー」とは、人の体にも、社会にも、動物や環境にも良いものづくりを目指すという考え方で、いわば“三方よし”を実現しようとするものです。アメリカでは、それを推進する団体がYouTubeなどで情報発信を行っており、「どんな成分に注意すべきか」「避けた方がいい添加物は何か」といった知識をわかりやすく伝えています。ブランド立ち上げ当初、私たちもそうした情報を参考にしながら学びました。
例えばシリコンを避けたいと思っても、成分表示には「シリコン」とは書かれません。「ジメチル**」など複雑な名称が並び、消費者が見分けるのは難しいのです。そこでその団体は、成分を判別できるアプリや、製品ごとの格付けなどを提供し、消費者がクリーンビューティー製品を選びやすい仕組みをつくっています。
私たちが<シリーズ共通8つのフリー項目>を掲げようと考えたのも、同様にシリコンや石油系界面活性剤、そして「香料」と記載される合成香料でした。合成香料は中身の詳細を記す義務がなく、1800種以上の成分が含まれることもあります。赤ちゃんには避けた方がいいとされるのもそのためです。
もちろん自然由来の着色料や香りも存在しますが、subiではそうした違いを踏まえ、合成着色料や合成香料は使わないことを選んでいます。
ーー要は、人の肌とか体に不明瞭なものと、環境に対して不明瞭なものをまず使わないーー。「クリーンビューティー」の理念を取り入れ、ブランド哲学を築いているわけですね。
Verde Marula 「クリーンビューティー」は日本でもすこしずつ取り組みを始めている人たちがいるようです。私たちはこの動画 (Clean Beauty 101 | The Clean Academy |) を見て勉強しました。もしご興味があるかたはご覧いただいて、日本でももっと広がるといいなと思っています。こちらは全編英語なので、日本語の字幕つけをやろうかと考えたこともあります(笑)。
しっかりと科学的に「なぜだめなのか」ちゃんと教えてくれるんですよ。避けたい物質の話について製薬会社の開発の人を呼んで話したりして。科学的な視点を与えてくれるので勉強になります。
ーー ヴィーガンについては、誤解も含めて一般化しつつありますが、「クリーンビューティー」についてはまだ広く知られていません。しかし、トレーサビリティやサステナビリティと同時に、クリーンビューティであることも、製品やその会社の姿勢に関わる話、ということですね。
Verde Marula 人に優しい、地球に優しい、社会に優しいという3本柱の中で、弊社製品では<シリーズ共通8つのフリー項目>と原料産地であるアフリカへの貢献を通して実践しています、ということになりますね。
④ 余計なものを入れない理由 ― subiの製品哲学と未来

アフリカでクラス人の雇用を創出することも、subiの目的のひとつです。
ーーそれを選ぶことで目指すsubiの哲学についてうかがえますか。
Verde Marula アフリカの農村に暮らす真面目な人達の収入がアップして、日本の人たちがsubi製品をとおしてアフリカの原料の効果を実感していただくこと。加えて、自然に対してもサステナブルな商品であることで、使っていて心から気持ちがいいスキンケア製品をお届けするということです。
私たちはやはり、植物由来の成分の効能をすごく信じていて。自分たちがアフリカから日本へお届けしているものを、本当に効果があると思っているので、それをみなさまにも感じてほしい。
添加物に全く頼らないわけじゃないんですけど、本当に必要な場面があれば、よく選んで、必要最低限なものを適量使う。そしてそれをちゃんと丁寧に伝えることを大事にしていきたいです。
ーーすべてを否定するのではなく、ブランド哲学や専門家の指導をもとに、ロジカルに紐解いて、再解釈して製品にしていく、ということですね。商品やお客様に対しての誠実さみたいなものが、根源ですね。
Verde Marula そうですね。誠実さをできるだけ大切にしていきたいなと思ってます。
▷subiでは毎月、製品やブランドストーリーについて、コラムでご紹介しています。その他のコラムについてはこちらからご確認ください。
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